ポーランドの地下に広がる塩で作られた『ヴィエリチカ岩塩坑』【世界最古の世界遺産】

By | 2014/08/27
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世界最古の世界遺産『ヴィエリチカ岩塩坑』

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世界遺産にはじめて登録された12個の内のひとつでもあるポーランドの「ヴィエリチカ岩塩坑」。ヨーロッパ最古の採掘場の一つヴィエリチカの歴史は13世紀にも渡ります。

その世界遺産の第一期に登録された岩塩坑は、深さ327m、全長は300km以上に及ぶ坑道跡で、アリの巣のように張り巡らされた迷宮は地下博物館として公開されています。国家事業として700年間掘り進められ、そこで採掘される岩塩はポーランドの国家経済を支え続けました。

worldheritage653_1_20120309195304「ヴィエリチカ岩塩坑」の入り口。

クラクフ首都圏内の都市ヴィエリチカで13世紀以来稼働していましたが、コストの問題と坑内で洪水が起きる危険性があることから1996年に商業採掘は中止され、現在は観光地となっています。

観光向けの2時間程度のコースで一部のエリアのみですが、年間100万人以上が来場し、ポーランドの代表的な観光名所になっています。

地下101メートルの位置にある『聖キンガ礼拝堂』

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岩塩坑での仕事は常に危険がつきまとっていて、坑内の無事を祈るためにいくつもの礼拝堂が造られました。地下101メートルの位置には祭壇や彫像がすべて岩塩でできている坑内で1番大きい礼拝堂「聖キンガ礼拝堂」など、非常に神秘的な作品があります。

模様の入った床やシャンデリア、奥の礼拝堂に至るまでほとんどが岩塩で造られています。中世の時代、塩は調味料以外にも、食料の保存や医薬品、染色やなめしなどの産業用品としてとても貴重で「白い金」とまで言われていたそうです。

坑内にある湖ももちろん、塩湖になっています。地底湖の塩分濃度は30%にもなり、ここに入ると死海のように浮くらしいです(遊泳禁止)。

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キンガ礼拝堂の伝説

下の写真は岩塩で造られたキンガ礼拝堂の奥にあるマリア像。実は礼拝堂の名前の由来になっている「キンガ」とはポーランドに嫁いできた王妃の名前です。

およそ2000万年前、ハンガリーに生まれ育った心優しいキンガ姫は、ポーランド王のボレスワフ5世との政略結婚が決まっていました。純粋だった姫は望む結婚ではないのにも関わらず、ポーランドに出向きます。そして道中にあった塩水の湿地にある泉で静かに祈りを捧げ、婚約指輪を投げ入れました。

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ポーランドに着くとキンガ姫はヴィエリチカの民に地面を掘るように言います。半信半疑で地面を掘ると岩塩層と指輪が発見されたという伝説が残っています。こんな言い伝えから、キンガ姫は岩塩坑の発見者として守護神のような存在になりました。

この周辺は海でしたが、地殻変動が起こり、陸地に囲まれた塩の湖が生まれ、水分が蒸発して巨大な岩塩層が生まれました。それをキンガ姫が見つけ、男たちが700年にわたって掘り続け、ポーランド王国に富をもたらしたと言われています。

worldheritage653_1_20120309200930工夫が塩を削って作ったレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」。

91新約聖書の様々な物語が岩塩で表現されています。

151坑内にあるレセプションホール。このような施設の他にも、地下211mでは呼吸器系疾患の療養所があり「岩塩坑セラピー」が行われています。

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ポーランドの「ヴィエリチカ岩塩坑」へのアクセス

ヴィエリチカ岩塩坑に入るにはツアーに参加しなければならず、ポーランド南部にある都市クラカウからだと、50ドル程度のツアーで行けます。ただ、残念ながら、日本語ツアーはないので、どうしても日本語という人は、日本から団体客向けのツアーに参加することになります。

およそ2時間のツアーで前半1時間はガイドの説明、後半1時間はフリータイムになります。2時間、階段を延々と降りていくので足に不安がある方にはしんどいかもしれません。ただ、帰りはエレベーターで地上まで上がれるので安心です。

世界で初めて世界遺産に登録され、壮大なスケールを誇る『ヴィエリチカ岩塩坑』。ポーランドに行く際はぜひ立ち寄ってみてください。


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