
上のgif画像はイラストレーション兼写真家のJulian Tryba氏が撮影したボストンの街並みだ。普通のタイムラプスとは少し違うのだがお気づきだろうか?
これはレイヤーラプスと呼ばれ、イメージ的には従来のタイムラプスをさらに進化させた撮影方法だ。
タイムラプスの進化系“レイヤーラプス”とは?
従来のタイムラプス
今までのタイムラプスは、Lost in TokyoやAustralia’s Gold Coastのように、同じ場所から一定間隔で連続撮影した静止画をパソコンで編集し、長時間かけて変化した何枚もの写真を短時間の動画で表現するといったもの。
レイヤーラプス
レイヤーラプスは、タイムラプスと撮影方法までは同じだが、編集のやり方が違う。Julian Tryba氏が今回撮影したレイヤーラプスは、1つの映像の中に異なった時間帯の街並みを映し出している。
下の画像を見ていただければ分かるが、右側の街はまだ明るい昼の状態だが、左側はビルのライトが灯り夜の街並みになっている。
レイヤーラプスの名前にも使われているレイヤーとは、積み重なっている状態、または階層という意味を持っている。PhotoshopやIllustratorで画像処理をやる人には聞き慣れた言葉だが、すごく簡単に言えば画像と画像を重ねて合成するということ。
Julian Tryba氏は、レイヤーを別々に動かし、それぞれに固有の時間を持たせることによって、時間帯が違うボストンの映像を、一つの画面に映し出すようにしている。
うまく説明が伝わってないかもしれないので、実際に下の動画を見てほしい。今までのタイムラプス動画と違うことがはっきりと分かる!
Boston Layer-Lapse
レイヤーラプスは、通常のタイムラプス映像以上に手間と時間が掛かる作品のようで、今回の場合、15万枚の写真を100時間かけて撮影。データは6テラバイト、 編集時間は350時間に及んだとのこと。
使用した機材は、キヤノンEOS 6Dと7D、16-35mm、24-205mm、トキナー 11-16mmで撮影。
Boston Layer-Lapseは、時間帯によって様々な表情に変化してゆくボストンを同時進行で演出し、見るものは今までにない不思議な映像体験ができる。
Tryba氏の次なる挑戦は、3Dの仮想都市をタイムラプスの中に織り込んでゆくというもの。カットで時空のレイヤーを見せていくだけでなく、まるで空中を飛ぶ鳥の視点でレイヤーラプスの世界を楽しめる作品を作るのが目標だと語っている。