太陽の120億倍の質量、ビッグバンで宇宙が誕生してから約9億年後に形成された超巨大なブラックホールを発見

By | 2015/02/26


超巨大なブラックホール

2月26日、宇宙の初期に形成された超巨大なブラックホールを発見したとの研究論文が英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載。ブラックホールが初期宇宙でどのように成長したかに関する理論を脅かす発見だ。

中国、アメリカ、オーストラリアなどの国際研究チームが発表した論文によると、今回発見したブラックホールは137億年前にビッグバンで宇宙が誕生した約9億年後に形成され、太陽の120億倍の質量を持つと言われている。研究チームは「宇宙の歴史からすると、これは驚くほど短い期間だ」と指摘。

論文共同執筆者の一人、オーストラリア国立大学(Australian National University)のフーヤン・ビエン(Fuyan Bian)氏は、「このように巨大なブラックホールがそれほど速やかに形成されたことは、現在の理論で説明するのは難しい」と述べている。

今回発見された特異なブラックホールは、極めて光度が高いクエーサーの中心部に存在する。研究チームによると、宇宙初期の天体としては、これまで発見された中で最も明るい天体だという。

ブラックホールは、あらゆる物質を飲み込む時空内の超高密度領域であり、光さえも抜け出せないほどの非常に強力な重力を持っている。

恒星やその周囲の物質を飲み込んで増大し、エネルギーを放出する。この現象はクエーサーと呼ばれる明るい天体として地球から観測できる。

Source : AFP BB NEWS