ハンガリーの首都ブダペストにあるドナウ川遊歩道の靴…。そこに並ぶ60足もの靴に秘められた辛く悲しい歴史とは?
By writer | 2014/12/27
ハンガリーの首都であるブダペスト。
その町に流れるドナウ川のほとりに古さびた靴をかたどった鉄のオブジェ60足が設置されていることをみなさんはご存知でしょうか?
写真を撮影する観光客も多くおり、一見するとオシャレだなと思うほど様々な種類の靴がそこにはあります。しかしこの靴のオブジェが設置された理由には、日本のガイドブックにもあまり載っていないような辛く悲しい歴史があります。
第二次世界大戦中、ナチスの迫害によりユダヤ人が川辺に並ばされ、後ろから銃撃されたという凄惨がありました。銃殺された人々は、当時貴重だった靴を脱がされてドナウ川に沈んでいきました。
特に1944年末の冬に一晩に40-60人ほどのユダヤ人が極寒のドナウ川に突き落とされ、計5千人近くが命を落としたと言われています。
その歴史を忘れないために設置されたのが、この靴の形をした慰霊のモニュメントです。すぐそばには、ハンガリー語、英語、ヘブライ語でその旨が書かれたプレートが設置されています。
ブタペストにある国会議事堂から約300mほどの位置にドナウ川遊歩道の靴はあります。歴史を体感したいという方は、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
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