若きCEOのリーダー哲学。世界中のバックパッカーたちの愛読書『ロンリープラネット』の指揮を任された26歳の若者

By | 2015/02/25
バックパッカーたちの愛読書『ロンリープラネット』


世界中のバックパッカーたちの愛読書『ロンリープラネット』。

業界シェア20%を誇る世界一のガイドブックで、グルメ旅行や冒険旅行、さらには想定外旅行など16 種類の基準でのランキングは自分が求める旅行の参考になる人も多いはず!

そんな世界No1の旅行ガイド本ロンリープラネットは、創業者であるトニー・ウィーラー夫婦の新婚旅行であったユーラシア大陸横断の旅を記した「Across Asia on the Cheap’」が最初のガイドブックです。

しかし、今現在『ロンリープラネット』の指揮を執っているのは26歳の青年ダニエル・ホートン氏というのはご存知でしょうか?

彼はもともと、ウェスタンケンタッキー大学でフォトジャーナリズムを専攻し、卒業後は、フォトジャーナリストとして働いたり、広告代理店やマーケティング、カメラマン、時にはウェスタンケンタッキー大学の学生広報誌のデジタルメディアアドバイザーとして活動するなど、彼自身のキャリアを積んでいました。

そして2011年にテネシー州フランクリンで設立したNC2 Mediaが、2013年にBBC Worldwideからロンリープラネットを買収したことで、創刊40年の老舗ガイドブックは当時24歳のダニエル・ホートン氏が率いることに。20代の青年が企業のトップとなりました。

今回は、inc.comに掲載された若きリーダーとしての心得や彼自身についてのインタビューを紹介します。

バックパッカーたちの道標となるガイドブックをより良いものにするために若い自分には何ができるのか。ロンリープラネットだからこその回答をホートン氏は語っています。

『ロンリープラネット』を買収

『ロンリープラネット』を買収した時の心境は?

「ロンリープラネットを買収した時、何が起こっていたかについてはそんなに考えていなかった。ただ自分たちのものになってとても嬉しかった。とにかく老舗旅行ガイドブックの一部になれただけで幸せだった。」

「CFO(最高財務責任者)だけを引き継ぎ、公の場に出る役割を担った。その時は自分が65歳くらいになった気分。」と述べています。

最初の仕事は、従業員を20%減らすこと

ホートン氏の最初の仕事は、世界中の『ロンリープラネット』で働く従業員を20%減らすことでした。従業員の中で最も若かった彼は、現代的なメディアとして組織改革をするための新しいアイデアを模索。すでに完成している組織から学びつつ、さらなる組織改革に必要な新しい考え方を持ち込むことに専念。

「24歳が会社の手綱を握っているなんて想像できる? 僕は早い段階で、自分が変えられないことは気にしないと決めた。自分が生まれた日は変えられないし、自分の経歴も変えられない。だから、ただありのままでいるしかなかった。」と新鮮な視点をもたらすことに焦点を当てています。

若きCEOのリーダー哲学

人々に焦点を当てる

私はノートに手書きでメモをする時間を取っていた。クライアントと一緒にいる時に、彼らが知らないことを提示したり、投資してくれるようにお願いをするため。また、一緒に働いている人たちを好きにならなければならない。共に過ごす時間をきちんととると関係が長く続く。

権限を委譲する

1日のうちにやることを自分なりに決めて、それを守り続ける。ルーティンをきちんとこなしつつ、人に権限を委譲したら、信頼して任せつつも、すべてをチェックする。

チーム(上層部)のスタッフ選びは慎重に考える

驚くほど能力が高い人でも、必ずしも最高のリーダーになるとは限らない。適材適所でリーダーを配属することが、ほかの社員に対する責任でもある。

信頼できるベテランを周りに置く

「年齢が問題なのではなく、経験がないのが問題だ」という格言がある。しかし、これは自分ではどうしようもない。理解と支持をしてくれるグループがあれば、れからやろうとしていることを信じてくれる。有能な人たちに囲まれ、後ろ盾となってくれる。

包み隠さず話す

思いやりをもって人と接し、常に誠実でいること。すべてをさらけ出すことはできないが、できるだけ包み隠さず、誰に対してもオープンでいること。

誰もが同じ時間を持っている

時間は誰にでも同じだけしかない。自分が喜んで働ける以上の労働を人に求めないこと。自分以上に働く人はいないということを肝に銘じておく。

人の意見を聞きつつ、自分を信じる

誰にでも自分の意見があり、どの意見にも耳を貸すか決めなければならない。しかし、最後は自分の直感を信じよう。

これは、原文筆者とホートン氏が、ウェスタンケンタッキー大学の人文化系の卒業生として、在校生に卒業後の進路の可能性について話すパネルトークでの内容。ホートン氏は、謙虚な語り口で卒業後に自分を奮い立たせてがんばればどんなことでもできると述べている。老舗ブランドを率いる型破りな若きCEOとして自身の経験を率直に述べている。

ダニエル・ホートン(Daniel Houghton)

ダニエル・ホートン(Daniel Houghton)

ウェスタンケンタッキー大学でフォトジャーナリズムを専攻。卒業後は、自身のキャリアを積みつつ、NC2 Mediaを共同設立。2013年にBBC Worldwideからロンリープラネットを買収。当時24歳の若さでCEOに就任。

Leadership Lessons From Lonely Planet’s 26-Year-Old CEO